社員と会社の懸け橋になる対話型人事制度

小さな会社の『自分で考え行動する』社員の創り方 その【3】



小さな会社の経営者ができる、社員に『安心感』を与える具体的な方法とは?

前回は自分で考え行動する社員を創る第一歩として、「社員に安心感を与え、信頼してもらう」事がまず大切だというお話をさせていただきました。今回は複数あるネガティブな要素に対して、どのように安心感を与えていくのかについてお伝えしたいと思います。

まずは言葉の問題。

安心の反対語は?そう、「不安」とか「心配」ですね。つまり安心感を与えるという行動を反対の視点で考えると、相手の「不安」や「心配」を取り除いたり、軽減してあげれば良い訳です。じゃあ、どうすればその不安や心配を取り除けるのか?最も簡単な方法は、自分が持っているネガティブな要素に基づいて対処法を実施していくことです。

たとえば、自分が「ミスを指摘されるのが嫌い」なタイプであるならば、社員がミスした時には「自分のチェック不足」であった事を素直に認め、その事を社員に伝えましょう。そうすれば、社員はミスをしたことを責められなかった安心感と共に、あなたに申し訳ないという気持ちが芽生え、あなたへの信頼は以前よりもグッと増すでしょう。

また、自分が「失敗することが怖い」と感じるタイプならば、失敗しないようどのようにサポートするのか、失敗した場合はどのようにフォローするのかを先に伝えてあげましょう。そうすることで、社員は安心して仕事にチャレンジできるようになり、きっとあなたの期待するパフォーマンスを発揮することができるでしょう。

つまり、自分が苦手だなぁと感じている事を相手にしないようにし、またどうすれば自分が安心して働けるかを考えて、同じようにやれば良いだけなのです。しかし、ここで一つ疑問が出てきます。自分が持っているネガティブな要素に対処するだけでは、すべての人に安心感を与えることはできないのではないか?という事です。事実、その通りなのです。この方法ではすべての人に対処できません。が、私はそれで良いと思っています。

次回は、それでもこの方法を勧める理由についてお伝えしたいと思います。

 



この記事を書いた人
人事コンサルタント 光永尚慰(みつながなおやす)

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